
プロ野球選手は少年時代もうまかったと思っている方は多いですが、そうとばかりは限りません。
現時点で才能がないと見られる子に、「お前はプロになれない!」と断言するのは間違っています。
選手自身もそうですし、親御さん、コーチの方もどうか選手の可能性を決めつけないでほしいです。
野球の才能なんて、小学生の段階で判断できるものではないのです。
今回は、少年時代・アマチュア時代に下手だったプロ野球選手を紹介します。
⇒【少年野球の才能】小学生では決まらない。伸びる子と伸びる時期。
少年時代下手だったプロ野球選手
小笠原道大:高校通算0本塁打のホームランバッター
小笠原道大選手は、日本ハムと巨人で活躍した選手です。2010年頃がものすごく、打率は3割を超え、かつホームランもバカバカ打つかなりの素晴らしい選手でした。僕の中の記憶にも根強く残っています。
通算成績
・1,992試合
・6,828打数2,120安打
・378本塁打
・1,169打点
・63盗塁
・打率.310
通算打率が3割を超えていますし、通算本塁打は400本近いです...恐ろしい...。
そんな小笠原選手ですが、高校時代の通算本塁打はなんと0本です....。
プロで400本打っているのに、高校では0本。これを書いている僕よりも少ないのです。ありえない。
中学時代も特にポジションは決まっておらず、捕手や内野といったどこでも守る選手としてプレーしていました。
たまたま他の選手を見にきた高校の監督にスカウトされて、暁星国際高等学校に進みますが、甲子園出場は叶いませんでした。
社会人野球に進んでから、打撃が開花していき、捕手をしながら打撃の人になって行ったわけです。
「小笠原選手=ホームランバッター」
こう思える選手でも高校時代に0本だったプレーヤーがいるのです。
今はホームランを打てなくても、「才能はない...」などと気にする必要はありません。
特に小学生の時期は、人によって身体の成長スピードが大きく違います。
焦って野球を嫌いになったり、自分に自身をなくさないことの方が重要です。
澤村拓一:高校時代は3番手投手
澤村選手も高校時代は控え投手でした。高校3年生、最後の夏は3番手投手として迎えています。そして、登板もありませんでした。当時の球速は120キロ台。まさしく普通の選手と言えます。
澤村選手は大学時代(中央大学)に開花しました。大学時代にトレーニングをして体を大きくし、それで球速が大きく上がったみたいです。
確かに中央大学に進めるくらい実力はあったのでしょうが、球速は120キロ台の3番手投手が、まさか巨人のドラフト一位選手になるなんて誰も思っていないはず。高校時代で自分を決めつけていたら訪れていなかった未来だと言えます。
黒田博樹:3年夏に出番がなかったメジャーリーガー
黒田博樹選手は、ヤンキース、ドジャーズで活躍した大投手です。メジャーリーグに挑戦しつつも、なかなかうまくいかずに帰ってくる選手は多いですが、黒田博樹選手は確実に活躍したと言えます。当時のヤンキースのローテを確実に守っていました。メジャーと日本で合わせて200勝を超えています。
そんな黒田選手ですが、高校時代は澤村選手と同様、3番手のピッチャーでした。
上宮という大阪の強豪校だったのはありますが、ガリガリで同級生からも「こいつには絶対負けないな」と思われる存在だったみたいです。メンタルが弱く、練習でできることが試合でできない選手。監督にも怒られてばかりで、走らされてばかりみたいだったそうです。
そんな黒田選手が開花したのは、これまた大学時代です。
大学では、甲子園に出られなかった悔しさをバネに「甲子園に行った奴には絶対負けない」と、とにかく練習に励みました。
高校時代はノーコンというイメージを持たれていましたが、大学に進んでからはそんな色眼鏡でみてくる選手もいません。っそれがいい方向に働いたみたいです。
これはとても大事だことです。周りの選手から「下手だな」「打てない奴だな」と思われていると、本当にその殻から抜け出せなくなることは往往にしてあります。人間というのは、周りの人間が「お前はこういう人間だ!」と決めるけるほど、それに近づいていくのです。だからもし、自分のことを悪くいう選手や指導者がいる場合は離れるべきです。
とにかくセルフイメージをマイナスに引っ張ってくる人からは離れた方がいいですね。
和田 康士朗:高校時代は陸上部
少年時代は軟式野球を経験した和田選手ですが、股関節を痛め中2で野球を断念。高校時代は陸上部に入部していた選手です。野球を諦めきれず、高校2年の途中に社会人の硬式クラブチームに入って野球を再開。そこから独立リーグの入団テストを受け、BCリーグの富山で活躍し、プロ入りを果たすことができました。
少し変わった事例ですが、中学も3年間野球をしていないですし、高校野球もしていない選手です。確かに足が速いという才能はありますが、常識で考えると、高校野球をしていない人がプロに行くとは考えにくいでしょう。
つまり可能性を限定する必要は全くないということです。高校時代の和田選手がプロに行くと考えていた人は誰もいないはずです。プロのスカウトは、子供の頃の実力なんて全く気にしていません。大事なのはドラフトに選ばれる可能性がある年齢の時点での実力なんです。
少年時代に才能を決めるのは早すぎる
以上、アマチュア選手時代にパッとしなかったすごい選手を紹介させていただきました。
今回、これら選手の事例を紹介させていただいて、「誰でもプロになれる可能性がある!」と言いたいわけではありません。
現にスポーツでも勉強でも芸術でもなんでも、「才能」というものは存在します。僕がいくら素振りをしても、全くしていない選手より打てないということも多々ありました。
しかし、だからと言って才能や可能性を限定していいという話にはなりません。コーチや親御さんであれば尚更です。
「お前は必ずプロになれる!」と言うのはさすがに違うと思いますが、「お前はプロになれない!」と断言するのは間違っています。
選手は自分自身に抱くイメージ(セルフイメージ)によって、大きく能力が変わってきます。
どうか、特に少年時代の選手には才能を限定し、希望をなくさせる態度を取らないでほしいです。
また、一口に「才能」や「センス」と言っても、単にそれらを発揮できなていないだけの選手も多数存在します。
才能や野球センスと呼ばれるものは、十分育てることが可能です。
「なぜ、何も考えていないように見えるあの子が打てるのか」
「なぜ適当にやっているのにうまい選手がいるのか」
どうか真面目な選手にこそ、才能の伸ばし方、センスの磨き方を知ってもらいです。
少年時代であれば、あるほど、才能やセンスが磨かれる伸び代は大きいです。大丈夫、諦めるにはまだ早いです!
以上、今回はアマチュア時代下手だったプロ野球選手です。
⇒【少年野球の才能】小学生では決まらない。伸びる子と伸びる時期。
⇒【伸び悩んでいる少年野球選手へ】"野球センスがない"を打破する練習法。